サービスを作る気力がなくなりつつある

Webサービスを作りきる気力がなくなってきてるなーって感じてしまった。 これはヤバいと思って、なんでこうなったのか考えてるといろんなことを思った。

サービスを作るのってすごく気力が必要で、まずどんなサービスを作るのか考えないといけないし、どういう見た目にするのかも考えないといけない。 考えてみると僕は普段から「こんなサービスを作りたい」とか「今どんなサービスが刺さるのか」とか「このサービスはデザインがイケてる」とか考えるタイプではない。

大学で情報系の学科にいて、遊び呆けて3年の頃には全然授業がわからなくなった。 他の大学ではどうなのかわからないが、情報系の学科ではプログラミングができる人はできない人から見ると、回りから頼られるしものすごい人に見える。そして自分もそうなりたいと思ってプログラミングの勉強を始めた。

僕のいる学科ではプログラミングは何かを作るための手段でしかなく、何を作るのか考えることを重要だと散々言われ続けてきた。プログラミングについて何も知らないと思った人間が何かを作りたいと思ったとき、Webサイトはとても思いつきやすい。

はじめは授業でも触ったC言語から勉強したけど、何かを作らないとと思ってPHPを勉強して、できる友達に教えてもらいながら掲示板を作った。それからはPHPTwitterクライアントもどきや、SNSもどきを作ったりした。また、それと同じようなことをRubyPerlでもやってみたり、CodeIgniterやRailsなどのフレームワークを使ったりもした。

プログラミングの勉強としてWebサービスを作り始めたが、それは本当に作りたかったものではなくて(そもそもそんなものもなかった)、ただ勉強する上でのアウトプットであったり、自己顕示欲であったり、承認欲求でしかなかった。プログラムを書き、それが他の誰かに見られ、褒めてもらえれば満足だった。

ある程度Webサービス開発をしていくと、個人で勉強がてら小さいサービスを作る分には、どんな言語、フレームワークを使ってもCRUD機能さえ作れればいいということがわかった。 この頃から、ただフレームワークの使い方を覚えてサービスの機能を実現だけなく、少し上からの目線でWeb技術を見ることができるようになった気がする。 Webというものを技術の側から好きになっていった。

Node.jsやWebSocket、WebRTCを勉強していく上で、「Webとは何なのか」を考えるようになった。 Webとは何かを考えると、HTTPやHTMLの技術が持つ思想を知ることになる。 興味の対象もソフトウェアの設計や、技術の在り方に向いていった。 Webの標準化に興味をもって仕様を読むようにもなった。 最近はCSSの在り方についてずっと考えていて、それを研究にしてしまった。

話が脱線してしまったが、個人でちょこっとサービスを作るのに必要な技術を身につけてしまったというのが、サービスを作る気力がなくなりつつある理由の1つだ。

もう1つ理由があって、就職活動をしていて感じたことだ。 前述にもある通り、僕の学科ではプログラミング(技術)は手段であり目的ではないと言われ続けてきた。 しかし、エンジニアとして就活をしてただ技術が好きで、それを仕事にできるのだとわかった。 そして内定をもらったあとは、(声を上げればできるのだろうけど)その会社のサービスを作っていくことになるんだなと感じた。 自分が考えたサービスで食べていくのはすごくむずかしい。

生きていくにはお金を稼いで食べていかないといけない。 今はまだ学生で、好きなものを作って、勉強していられる。 でも働き始めると好きなことができる時間はずっと少なくなるだろう。

また、この先、やっぱり結婚もしたいし、子どももできるかもしれない。 年を重ねるごとに社会に対する責任が増えていく。 そうなると、純粋に技術、プログラミングが好きだという気持ちが薄れていって、お金を稼ぐためにコードを書くようになるかもしれない。 現にサービスを作りたいという気持ちが薄れていることを実感しているし、いつか技術への関心も薄れていくのかと思うと心が痛む。

社会は厳しいし、人生は短い。 エンジニアとして自由に、そして人間として幸せに生きていきたい。